『イーロン・マスク 未来を創る男』を大学生が読む part4
<読書四週目>
(イーロン・マスクの伝記『イーロン・マスク 未来を創る男』を毎週読んでいきます)
62~106ページまで読んだ。
今回は、大学を出て二つの会社を起業するところまでの話。
大学を出たマスクは、Zip2という会社を立ち上げた。
世間はちょうどインターネットサービス黎明期で、Zip2はインターネットの地図を提供し、そこにローカルなお店の広告を載せるというサービスをリリースし、見事に買収されるまでに成功し、マスクは約26億円を手にした。
買収で手に入れた大金を元手に、今度はインターネット銀行サービスを作った。当時、インターネットでお金のやり取りをするなんてとんでもないという時代で、銀行業の規制もあった中で、ハッカーに負けないシステムを作り、顧客の信用を得て、インターネット銀行を確立。
インターネットバブルがはじけた不況で、誰もが早く売り抜けてしまおうと思う中、マスクは売り渋りで価格を釣り上げて、会社を買収されることに成功。
マスク個人で約300億円を手に入れた。
今回読んだところを通して思うことは二つある。
一つは、天才は、バランス能力に欠けていること。
マスクは、自分のビジョンのためなら、プログラミング作業をずっとやっていても苦にならないし、リスクを顧みず突き進むことができた。そんな彼の特徴からか、周りと軋轢が生まれることが何度もあり、CEOを降ろされたりもしていた。
自分は組織らしい組織を率いた経験がなかった。
(中略)
みんなが自分と同じように行動してくれるはずという思い込むからして間違っていた。
と本人も後で振り返っている。
それでもなんとかやっていけたのは、人当たりのいい弟キンバルやクーリというメンターがいたおかげだ。
ジョブズやビル・ゲイツにも相棒がいたように、突出した能力を持つ天才の横には、その欠点を補うような人がいてこそ、社会でうまくいるんだなと思う。
だから、自分のことを天才だと思う人はそういう相棒を見つけた方がいい。
また天才でない人は天才の邪魔はしない、サポートしようと気概でいることが重要だ。
もう一つは、ビッグビジネスをやる人の向き不向きについて。
シリコンバレーを中心に、世界的なサービスを作るため、日々奔走してる人がいる。それはそれでいいと思う。
しかし、世間やメディアはあまりにそういった”成功者”に目を向けすぎだ。
マスクは、遊びで登山サイクリングに行ったくらいで、体調がものすごく悪いにも関わらず、「成し遂げられないなら、死ぬしかない」と無理して登る人だ。
ひとことで言えば、クレージーなのである。
ビッグビジネスをやれば、世界に影響を与えることができるかもしれないし、大金や名誉が手に入るかもしれない。
しかし、そういうことに興味のない人も大勢いると思う。
常に楽をして、楽しいことだけをして生きていきたい僕にとっては、このマスクの伝記は、ビックビジネスをやりたいなという憧れよりも、世間の評価を気にせず自分のペースで生きていくことへの励みとして受け取っている。